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こんなことに役立ちます
「社会調査」って、どんな時に役立つ資格でしょうか?
具体的な業務での「社会調査」能力の活用例です。
「メーカー勤務(営業)」 「金融機関勤務(管理職)」 「建築会社勤務(経理)」 「市役所勤務(福祉課)」
私は某ワインメーカーの営業マンです。
新しく、地方都市のエリア担当として赴任してきましたが、
どうやらマーケット自体がとても小さく、ワインが生活の中に溶け込んでいないようです。
このようなエリアで、売り上げやシェアを伸ばすことはできるのでしょうか?
こんな時、社会調査能力があれば・・・
「まずは現状把握(既存情報の入手・分析)」
自分が担当する酒屋さんで、お店の商品展開やお客さんの動きをじっくり観察することにしました。
すると、どうやらワインの売れ方と販売方法に特徴があることがわかってきました。
- ワインは、贈答や誕生日などの特別な目的で買われることが多いこと。
- ワインは、お店でも目立たない場所に陳列販売されていること。
もちろんワインの動向だけを観察すればよいわけではありません。
お店で最も売上の多いビールや、その外のお酒の売れ方と販売方法も注意して観察してみました。
すると、ビールを買うお客さんは、お店に入ると、一番目立つ場所に置かれたケースを持って、すぐに会計を済ませ帰ってしまっていることがわかりました。
これをわかりやすく数値化するために、各顧客の滞在時間と活用スペースについて記録をとってみました。
「仮説をたてる」
こうした数字や観察結果を自分なりに整理して、2つの仮説を考えてみました。
- お店はあまり有効的にお店のスペースを活用できていない
- よく売れている商品は「目的買い」の商品で、ワインは「衝動買い」の商品だろう
つまり、お店のスペースを少しでも活用するために、売上を多く占めるビールのお客さんに、もっとゆっくりお店に滞在してもって、普段興味を持っていない他の商品にも興味を持ってもらえないだろうか。
ワインは、衝動買いの商品だろうから、ビールや酎ハイを買いにきたお客さんに手にとってもらうためにも目立つ場所に移動させよう。そうすれば、お店全体のスペース利用率も上がるはずだし、新しいワインのお客様を増やせるはずだ!
「仮説を検証する」
そこで店長さんに交渉することにしました。
「店長さん。ビールをお店の一番奥に置いて、多くのお客様を店の奥まで誘導してみませんか?
もっと他の商品も見てもらいましょうよ。
私の観察データでは、ビールを買いに来たお客さんは、平均滞在時間5分で、利用スペースは30%でした。
いままでは、ビールを買ったら、ほかの商品を何も見ずに帰ってしまっているお客さんに、ワインを勧めてみましょうよ。どうせ放っておいても、ビールは買ってくれるんですから。ぜひ衝動買いを誘うように店のレイアウトを変更しませんか!」
こうした、「現状把握」「仮説設定」「仮説検証」の作業を繰り返すことで、お店の「ワイン」の売り上げは劇的に変化し、担当エリアの売上も右肩上がりとなりました。
私は生命保険会社の営業所長です。
加入率約9割を誇る日本の生命保険(世帯加入率87.5%:平成18年生命保険文化センター調べ)ですが、ほとんどの方がすでにお持ちのこの商品を、どのように営業職員たちに売ってきてもらえばいいのでしょうか。
本社からは、営業一人あたり月に12件の成約数を数字として与えられています。
こんな時、社会調査能力があれば・・・
「まずは現状把握(既存情報の入手・分析)」
新たに配属された営業所で、まず営業職員全員の過去3年の営業記録を整理することからはじめました。
まず、新規成約数とアポイント数、電話での接触数及び見込み客リストの関係からみることにしました。
すると、新規成約1件に対して、商談4件、電話接触20件、見込客数40件という数値が出てきました。
次に、成約に至るまでの顧客との接触回数をみてみると平均1.2回。実際の接触回数は4.6回という数値でした。
「仮説をたてる」
こうした数字を整理して、2つの仮説を考えてみました。
- 月12件の新規成約のためには、480件の見込客を確保する必要がある
- 2回以上の顧客接触は打ち切り、次の営業に時間を費やすべき
人間、毎日セールスを断られるのは嫌なものです。
でも、数字として断られる比率が事前にわかっていれば怖さも少しは紛れます。
私は、営業職員に、成約結果としての月12件のノルマではなく、見込客リスト480人分の確保をまず目標に設定させることにしました。と同時に、顧客への訪問は、2回以上は行わないというルールも決めました。
これは、2回以内での成約が9割以上を占め、2回以上訪問がほとんど成果をあげていないという事実を反映したものです。
「仮説を検証する」
この分析数値と仮説をルール化し、営業職員の行動原則にしました。
当たり前ですが、見込客数を上回る商談件数はありません。商談件数を上回る成約件数もありません。
これまで人によっては、見込客数が少ない人も多い人もいましたが、最低でも480件を確保するために、動き出すことが可能になり、本社から与えられた数値は比較的早い段階で達成することができました。
こうした、「現状把握」「仮説設定」「仮説検証」の作業を繰り返すことによって、営業成績はコンスタントに向上しています。
私は経理担当者です。
上司から、経費節減と業務効率向上を指示されました。
そのための企画書を作成しなければなりません。
「こんな時、社会調査能力があれば・・・」
「まずは現状把握(既存情報の入手・分析)」
一日の部門別の業務についてその仕事内容と処理時間とそこにかかる経費を整理してみました。
現在、営業さんや代理店さん、お客さんからはファックスで注文が入ります。
注文のファックスは一日500枚を超えています。
一枚の注文書を処理するためには、約10分の処理時間がかかるため、総勢10名の営業事務職員が1日がかりで処理しています。
「仮説をたてる」
こうした事実を整理して、経費節減及び業務効率向上の仮説を考えてみました。
ファックスでの注文書をわざわざ入力するために10名も雇用しているのであれば、この10名分の給与を削減できれば約250万円/月の経費節減ができるはず?
そのためには注文書の処理システムを大きく転換する必要があると考えました。
そこで、企画案を2案作成することにしました。
ひとつは、アナログではありますが「注文書をマークシート形式に変え、自動読取処理システムを導入することで処理を効率化する」方法。もうひとつは「WEB経由で発注が可能になるシステムを導入し、処理を効率化する」方法です。
「仮説を検証する」
マークシート形式の場合、初期投資60万円とランニングコスト月額1万円です。
内訳は、注文書の読取効率を上げるために、新しいファックスを20万円で購入すること、またマークシート処理システムに40万円の初期投資額が必要です。
同時に10名いた営業事務職員のうち9名を営業職に異動させることで、注文書処理だけにかかる月額コストは25万円となり、マークシート印刷費・送料を併せても、合計月額26万円+初期投資額程度のコスト負担で収まることがわかりました。
他方、WEB経由の発注システムを開発した場合、営業事務職員はひとりも必要なくなりますが、開発費用が500万円と年間維持費が88万円かかることがわかりました。
同時に、代理店やお客様に、その使用方法を理解いただくために多くの教育コストがかかるため、先の企画案が妥当だということがわかったのです。
こうした「現状把握」「仮説設定」「仮説検証」の作業を繰り返すことによって、月額234万円の削減が可能となったのです。
私はとある地方都市の市役所職員です。 福祉課で勤務しています。
市民の健康福祉を増進させるためにも、より効率的な事業展開を図る必要があります。そのため事業を展開する前に、市民ニーズを理解しようと考えました。
「こんな時、社会調査能力があれば・・・」
「まずは現状把握(既存情報の入手・分析)」
現在、当市で行っている福祉サービスの利用状況を整理してみました。
児童手当や児童扶養手当の受給数、心身障害者福祉タクシー券の交付事業などの利用実態です。
同時に、本来、こうした手当てを受給する資格があるにもかかわらず、「その存在を知らない」あるいは「手続きをしていない」人たちの数について、住民票や各種資料などを分析して、推定してみました。すると、事業によっては100%に近い受給率だったり、逆に10%にも満たない受給率の事業があることが明らかになってきました。
「仮説をたてる」
これまでは、受給率を上げるために広報費を予算化したり、啓発活動を展開してきたけれども、実は、事業自体のニーズが、市民側にないのではないだろうか。という仮説を考えてみました。
もしニーズにないものを予算化しているのであれば、税金の無駄遣いにすぎないはずです。
そこで、実際に、市民のこれらのニーズを直接確認してみました。
「仮説を検証する」
先に推定した本来受給資格があるにもかかわらず、「その存在を知らない」あるいは「手続きをしていない」人たちを母集団にサンプリングを行い、350人程度に調査を実施することにしました。
調査には、往復ハガキを用い、督促ハガキも含めて52500円の予算をつかうことにしました。
その結果、サービスの存在を知っているが、その必要性を感じていない人たちが約7割にものぼることがわかってきました。
市役所は、今年、これらのサービスに約350万円の予算を計上していましたが、調査の結果、翌年の予算削減を可能にしたのです。
こうした「現状把握」「仮説設定」「仮説検証」の作業を繰り返すことによって、市民ニーズと市役所が提供するサービスの齟齬を理解でき、同時により必要性の高い事業に、これらの予算を振り分けることが可能となったのです・・・。


